第67回写真展 Les Blogueurs de France au Shikoku, Japon

I had a wonderful opportunity to meet bloggers from France the other day. I was told that 5 bloggers were selected at the Japan Expo 2009 Paris in July this year to discover the beauty and charm of Shikoku.  They were invited to Japan from October 10 to 22. Their mission is to share and blog about their experiences in Shikoku.

 

Mr. Yamaji greeted us at the Kokubunji Bonsai Center. He talked about the art of Bonsai in English and French. As you can see, he was not only knowledgeable but also hilarious.  A little smile goes a long way!

The reason why they were dressed in white is to participate in a part of the Shikoku Pilgrimage of 88 temples on the island of Shikoku. It takes about 30 to 60 days to complete the entire journey of 1,200 km or 744 miles on foot. So, we covered 3 temples that day in and around Takamatsu; No. 80 Kokubunji, No. 81 Shiromineji, and No. 82 Negoroji.

First, we stopped by the Iida-cho Omotenashi Station, where Mr. & Mrs. Kono were gracious hosts to show generous hospitality to us. She treated us homemade Umeboshi, pickled plums, and tea as we learned about this spiritual journey.

Now let me introduce Ms. Delphine MACH, who is a very talented illustrator.  She allowed me to see her sketch book, and I could immediately visualize her entire trip.  You can, too, by taking a look at her amazing blog and you will see stories of Aki, her alter ego.

Ms. Salomé HOLZER is a student, who loves "cuisine" and Manga!  Please visit her cute "Kawaii" blog.

 

Ms. Sophie LE BERRE is interested in plants and gardens.  Indeed, she is very knowledgeable.  She speaks very fluent Japanese and understands Japanese culture as she spent 2 years and a half in Takamatsu in the past.  Somehow she and her family are undoubtedly connected to Japan, since her grandfather worked on architectural projects long ago in Japan, and her parents also visited Japan just before Tokyo Olympics in 1964.  Please see her lovely blog.

  

Mr. Franck FLEURY is a great professional photographer.  He is experienced and very versatile.  I had a delightful conversation with him about his philosophy on photography.  He takes photos like he breathes air.  It became second nature to him.  He follows his heart when he sees the world through the camera.  In fact, it was a treat to shoot pictures side-by-side with him.  Please enjoy his photos!

  

Although the fifth blogger, Mr.  Florent PORTA, was not able to come along that day, you can see his blog here.  Instead, Mr. Stephane Michaud accompanied us.  He speaks good Japanese and has a keen understanding of our culture.

 

This project is called Shikoku Muchujin in Paris lead by Ms. Ozaki.  Find out more here.

  

Fall foliage season has just begun!

  

 

Merci, tout le monde.  I had a great time.  Have a safe journey wherever you go.  …Bon voyage!

第66回写真展 朝焼けの街

先月の韓国出張は、タイトスケジュールだったが、出発の朝、ホテル周辺を散歩したので、その時の写真をアップしておこう。まずは、チャイナタウンの一角にある旧日本人の居留区から。ちょうど朝焼けの時間だ。うっすら明けていく空をバックに遠くの高層ビル群が茜色に染まる。坂道に人影が浮かんだ。

仁川は横浜や神戸のように港町で小高い丘もあり、旧日本人の居留区のお隣は韓国一を誇るチャイナタウンだ。ジャージャー麺発祥の地だそうで、韓国式の中華料理を味わった。前日聞いていた「自由公園」を散策することにした。韓国で一番古い洋式の近代公園だそうだ。突然、大音響で、韓国版ラジオ体操のようなものが始まった(5:45頃)。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その音に導かれ、坂道を上がっていくと、引き続きディスコやヒップホップを交えたダンスを織り交ぜた有酸素運動(エアロビ)を老若男女が楽しんでいる。他の運動具も整っていた。 

  

自由公園には、朝鮮戦争時に仁川上陸作戦(1950年9月15日)を指揮したマッカーサーの功績を称える銅像があるが、周りにローズガーデンがあり、よく手入れされていた。

 

今回の訪韓で気が付いたのだが、以前より、ずっと自由でオープンな印象を受けた。韓流大好きの母に、「死ぬまでに一度連れて行って」と、何度もせがまれたのがキッカケで、親孝行ツアーを決行したのは約2年前。今度はアジアとの繋がりを大切にしたいと思っていたので、私にとっても絶好のチャンスだった。その後、父が寝たきりになり介護が必要なので中断しているが、今のところ、ソウルを起点にした旅と釜山を起点にした親孝行の旅を2回ほど実行している。

最初の旅は、写真撮影に制限があった。DMZ(非武装中立地帯、1950年に勃発した朝鮮戦争が1953年の休戦協定により発効した軍事境界線で南北各2km、東西に走る計4kmの幅の休戦ライン)や平和展望台を見学した時には、もちろんだが、平和学習で訪れていた韓国の小学生グループの子どもたちが、持参していた携帯で北の方向に向けて写真を撮っていると、随行していた職員から注意されていた。平和な時代に生まれた子どもたちにとっては、北も南もない。大人の私にだって区別がつかない。木々の生えていない裸山が連なっていた。かつては激しい戦火を交えた地だ。

今では米の産地とのことだが、美しい水田が広がる(農耕は昼間のみ特別に許可されている)のどかな景色とは対照的だった。北緯38度線から30キロほど北に位置する鉄原(チョルウォン)から、特別な許可を得たコンボイ(護送車と共に要所を巡るバスや車の集団)で、鉄原から北へ約13キロ、第二トンネルに向かった。今では自然が戻り、刈り入れの終わった田んぼに雪が積もり、白銀の世界が続く。そこへ、見事な鶴が舞い降りるのだ。思わず息をのんだ。晴天の光り輝く純白の世界に、人知れず渡り鳥が飛来する。車を止めて写真を撮りたかったが、コンボイを止めるわけにもいかず、また、地雷が残っているので危険と説明を受けた。こういったところにも戦争の爪痕が残っているのだと、衝撃を受けた。

また、江華島や沿岸には軍が駐屯していて、鉄条網のある場所は基本的にカメラを向けることはできなかった。それに対して、釜山から、安東(アンドン)や慶州(キョンジュ)に行った時は、写真撮影の制限がなく、その平常さに安堵したのを覚えている。しかしながら、今回の出張で、沿岸を視察した時にも、全くピリピリした気配がなく、撮影制限も一切なかった。現地のエキスパートが同行しているせいかと思ったが、時代の流れと全体的な傾向のようだ。たった2年弱でこれほど変わるとは思いもよらず、平和であることは、カメラ好きにとっても大いに喜ばしいことだと実感した。例えば、仁川沖合にある霊興島(ヨンフンド)。昨年まで軍が駐屯していたが、今年から市民に一般公開されているそうだ。

霊興島は、仁川上陸作戦(1950年9月15日に国連軍が仁川へ上陸してソウルを奪還した一連の作戦)で大きな役割を果たしており、仁川港へ進入する水路を示す八尾島(パルミド)灯台がある。9月15日午前0時に点灯して上陸部隊の第一陣を誘導した灯台は今では博物館になっているそうだ。仁川港は干満の差が非常に大きく(平均6.9m)、干潮時には港の周辺は約3.2kmの干潟となってしまう。つまり、船のナビが難しい。仁川空港にアプローチする時に気付いた方もいらっしゃることだろう。

 

1950年6月25日に朝鮮戦争が勃発して、北の侵攻により国連軍は後退を続け、7月31日には釜山周辺まで追いつめられていた。釜山に行った時、多くの人が逃げてきた時の話をしてくれたが、キムチ瓶や家宝を背負って戦火を逃れる人々で大混乱していた。戦況を打破すべく、マッカーサーが仁川上陸作戦を発案・指揮して、ソウル近郊の仁川に奇襲上陸して北の補給路を断ったのだ。また、釜山から第8軍を進めて南北から挟撃した作戦により、国連軍は仁川を確保して、ソウルを奪回することに成功した。仁川上陸作戦から8日後、9月23日には、北に38度線以北への後退を命令し、朝鮮戦争における大きな転換となった。そのようなわけで、仁川自由公園には、マッカーサーの功績を讃える銅像が設置されている。

また、園内には韓米修交100周年記念塔もあり、1992年に韓米修好通商条約締結の100周年を記念して建てられたそうだ。平和・自由・自然・人間を象徴する帆の形をした8つの塔から成る記念塔は、末永く続く両国の友愛を祈念している。公園は今では市民の憩いの場になっており、早朝から散歩する人の姿が後を絶たなかった。

さて、空が明るくなってきたので、駆け足で仁川の旧日本人居留区に戻ることにしよう。朝焼けの街を撮影した最初の写真の角(左)の家には、日本人が住んでいたそうだ。また、1883年に開設した旧日本第一国立銀行釜山支店の仁川出張所が保存されている。(仁川広域市有形文化財)

旧第18と第58銀行も残っている。

 

そして、仁川の区役所(中区)も歴史区の中にある。

6:30に朝食の約束をしていたためホテルに大急ぎで戻ったが、有意義な朝のお散歩だった。

  

第65回写真展 She’s Back in Town!

国際交流の仕事をしている関係で、来日する人の受け入れやお世話をさせていただいているが、時には、ホームシック、カルチャーショック、適応障害等、いろいろと頭の痛いこともある。しかしながら、「苦あれば楽あり」とはうまく言ったもので、若い人たちとの交流は楽しい。私自身、海外で長年お世話になっているのだから、いつも「少しでもお返しできれば」と思っている。

ジャッキーは、今までお世話してきた若者の中でも、特に優秀で可愛い人だった。もともと日本語が堪能で、日本文化に大いに関心を持っていたが、さらに理解を深めようと努力を怠ることはなかった。そんな彼女から多くのことを学んだ。そして、彼女が素晴らしいところは、自分から進んで人とかかわりを持とうという前向きな姿勢と信頼感だ。勝手の違う国で委縮せず、新しいことにチャレンジするのは、どれほど勇気のいることか、私自身よく理解しているつもりだが、ジャッキーは、誰かから声をかけてくれるのを待つのではなく、自分から人の輪に入り、どんどん人間関係を広げていった。日本にいる間、多彩な趣味を通して、多くの人間関係を築き、同時に、自分を見失うことはなかった。そんな彼女が約1年ぶりに、弟アレックス君を連れて帰ってきてくれたのだ。まるで、空気が明るくなったような気がした。

早速、歓迎会(お帰りなさい & Welcome パーティー)を開いたが、彼女の多彩な人脈に驚いた。洋裁や着物リフォームを習ったり、日本のお惣菜クラス、そして、日本語の勉強と、実に人間関係が面白い。アニメが大好きで、自分でコスプレの衣装も作ってしまうほど器用で多才だ。そして、女木島を訪れたことがないと聞いたので、小さな赤いフェリーに乗って瀬戸の島めぐりをすることにした。(※本人に写真の協力とブログ掲載の許可をいただいています。)

女木島のモアイ像の前にて一休み。

ちょうど、女木(めぎ)・男木(おぎ)、両島で映画「めおん」(※小さな赤いフェリーの名前)の撮影をしていたのだが、ロケ現場を見ることが出来て嬉しいと話してくれた。完成が楽しみだ。以前、仕事で彼女と男木島を訪れた時、時間がなくて見逃した灯台も訪れた。うっそうとした山道だが、2月頃には清楚な水仙の花が一面に咲くことを話した。いつの日か、水仙の頃に再会と再訪を願いつつ……。

そして、玉藻公園も散策した。ここは、彼女が来日して一番最初のTV番組を収録した思い出の場所だ。また、大広間で、アメリカからの大切な来賓をもてなした時には、彼女も通訳として大活躍してくれた。

歓迎会では、アメリカから真空パックに入れて持参してくれたクッキーを、皆で味わった。お父さんが中心になって、お土産にクッキーを焼いてくれたという感心な話に、驚き、感動した。ピーナッツバターやM&Mが入った大きなクッキーは、crunchy outside, moist inside(中はしっとり、外はサクサク)で、アメリカの味がした。こうして楽しい時は、あっという間に過ぎてしまった。

ジャッキーと再会できて本当によかった。これから大学院(医学部)に進学すると忙しくなるだろうが、沢山の人が応援しているよ!!!

チェロを弾く人たち

先日、通訳・案内で、地元交響楽団の定期演奏会に同行したが、新進気鋭のチェロ奏者ボリス・アンドリアーノフ氏(Boris Andrianov、ロシア出身)によるドヴォルジャークの「チェロ協奏曲ロ短調」を中心に、思いがけず素晴らしい演奏を聴くことができた。
 
アンコールはインタビュー(英語)も交え、大サービスで、ジョヴァンニ・ソッリマ(Giovanni Sollima)作の「ラメンタチオ」(Lamentatio)、そして、パブロ・カザルス(Pau Casals)作の「鳥の歌」(El Cant dels Ocells)と、全くタイプの違う曲だが、確かな技術に裏付けされたパッショネイトな演奏を披露してくれた。前者は現代音楽で、ヴィヴァルディのダイナミズムとロックのノリのある曲だ。後者は具象的な小品で、目の前に高らかに飛ぶ鳥が自由にさえずる様子が見えるようだった。深みのあるチェロの音色に魅せられたが、ロシア政府から貸与されている18世紀の名器ドメニコ・モンタニャーナ(Domenico Montagnana)だそうだ。迫力のある力強いチェロの音を楽しむことができた。
 
さて、チェロ奏者と言えば、映画「おくりびと」の主人公が記憶に新しいが、ジョー・ライト監督の「路上のソリスト」にもチェロを弾く人が登場する。LAタイムズ新聞のコラムがキッカケとなった実話をもとにした作品だ。ロペスの連載記事に心を動かされた人は多く、「路上のソリスト」との交流を通してホームレス、心の病、音楽の力、友情等についての考察が記されたものだ。
 
心の病をテーマにした映画は多い。卓越した音楽家という視点からは、デイヴィッド・ヘルフゴット(実在のピアニスト)の「シャイン」(1996年)や、統合失調症に苦しむ天才という視点からは、ジョン・ナッシュ(実在の数学者、ノーベル賞受賞)の「ビューティフル・マインド」(2001年)のアプローチと比較対照してみると面白いが、この路上のソリスト、ナサニエル・エアーズも実在の人間だ。ナサニエルが抱える問題は2時間弱の映画の中で解決できるものではない。ロペス記者が深入りしたくなかった気持ちや、ナサニエルを治したい(変えたい)と焦る気持ちはよくわかる。しかしながら、かかわることで変わったのは自分の方だとロペスは気付く。
 
ジョー・ライト監督は、「プライドと偏見」(2005)では、ジェーン・オースティンのエドワ―ディアンな世界をみずみずしく現代に息吹かせ、また、「つぐない」(2007)は、イアン・マキューアンの大戦前後のイギリス社会を、記憶を手繰り寄せるように描いていたが、ブライオニーのテーマ(音楽)が印象的だった。今回は現代のアメリカに舞台を移し、実在する人物を、音楽を通して描いている。
 
ナサニエルとロペスが、オーケストラのリハーサルを見学するシーンがあるが、共感覚(synesthesia)のようなものが描かれている。初めて、synesthesiaという言葉を目にしたのは、定期購読していた雑誌Smithsonian(2001年2月号、「スミソニアン」)だった。共感覚とは、ある刺激に対する感覚が通常ものだけではなく、もう一つの感覚を伴う特殊な知覚現象で、一部の人のみに起こる。例えば、音に色を感じたり、文字に色を感じたり、形に味を感じたりするという。音に色を見る共感覚は、こんな感じだろうかと思った。しかし、このシーンで一番パワフルなのは、ナサニエルを演じるジェイミー・フォックスの表情だ。「Ray/レイ」(2004)では、ピアノを見事にこなして、さすがは音大出身だけあると思ったが、「路上のソリスト」でも音楽への愛情を見事に体現している。そして、ロペスは「ナサニエルが本当に必要なのは友情なのだ」と気付いていくのであった。