第55回写真展 フロリダからの絵葉書
2007/10/28 4件のコメント
甘い金木犀の薫り漂い,当地でも木々が色付き始めました。赤,黄,オレンジ……,まるで魔法の絵筆のようですね。皆様,いかがお過ごしですか。
さて,今回の写真展は,フロリダから。もう少し夏の名残りを楽しむことにしましょう。 5組みの絵葉書に見立ててみました。最初のフォトアルバムは総括です。そして,その5枚の内容を,それぞれのアルバムにまとめてみました。冬場は,スノーバードとも呼ばれているアメリカ北東部やカナダから避寒に訪れる人々で賑わうセント・ピーターズバーグ,そして,タンパ湾地域。ベイ(湾)に守られた温暖でトロピカルな空と海の色を,お楽しみください。
1 「翼に乗って」
デトロイト経由で タンパに向かいます。デトロイトは曇り空で,紅葉が始まりはじめていましたが,フロリダの空は夏に逆行。タンパ湾の夕日です。写真に写っている真っすぐな橋が眼下に。橋の向こうはセント・ピーターズバーグ。ニックネームは,サンシャイン・シティです。
2 「セント・ピーターズバーグの街角から」
久しぶりに訪れたセント・ピーターズバーグ。新しいビルが,お馴染みの歴史的な建物と共に並んでいます。Old & New,まさに温故知新。ダウンタウンのウォーキング・ツアーはいかがでしょう。スペイン風のピンクの建物とトロピカルな色合いが目を引きます。ダウンタウンには,ベイ・ウォークというショッピングモールがあり,買い物,食事,映画,散策に便利。公園のスパニッシュ・モスは南部の風物詩。
とことで,フロリダ半島のメキシコ湾側(西)にあるというので,夕日を期待していたのですが,朝日の街なんですね。セント・ピーターズバーグは,メキシコ湾の中でもタンパ・ベイを東に臨み,海上に朝日が昇ります。
3 「ミュージアム」
今回の旅の目的は,美術館,博物館,ギャラリー,そして,マグネット・スクールの視察。まずは,大変充実しているダリ美術館から。個人コレクションを一堂に集めた美術館で,本国スペイン以外では一番の規模だとか。外のベンチもダリしていますね。
新聞小僧の銅像があるのは歴史博物館。民間の航空輸送,つまり旅客機の発祥,タンパとセント・ピーターズバーグが初飛行の地で,その模型(水上機)が飾ってあります。今思えば,短距離の飛行でしたが,ライト兄弟の初飛行(1903年12月17日)から,約10年後(1914年1月1日)に実現したわけです。博物館の前の駐車場で見つけたバニヤンの木(ガジュマル)は,気根が垂れ下がり,どんどん広がっていきます。
セント・ピーターズバーグから長い橋を渡りタンパへ。本場キューバ仕込み葉巻工場の街はイボール・シティです。食べ物も,音楽も,ライフスタイルも,キューバ文化の影響が強く,葉巻工場や職人さんの集合住宅を残した歴史地域が保存されています。葉巻きづくりは基本的に手作業で,その昔は工場の角に高イスが置いてあり,朗読係りがいたそうです。監督用ではなく,お話しを読んだり,ニュースを伝えたりしたそうです。
さて,写真はありませんが,訪れたマグネット・スクール(※マグネット,磁石のように優秀な生徒を学区全域から集める独自のカリキュラムを持つ公立学校)のことを少し。ハイテク系のハイスクールから,理数系の小中一貫教育,アート系の学校,そして,演芸・芸術系のアフタースクール・プログラムを見学しました。生き生きとした子どもたちの姿が印象的でした。
ハイテク系のマグネット・スクールは,2年前に来日したキャメロン君の母校で,訪問を楽しみにしていましたが,ニューズウィーク誌で本年度全米トップ校第24位にランキングされている大変優秀な高校です。プロ顔負けのTVプロダクションから,サーバー管理・システム構築(コンピューター),科学の実験まで,それぞれの才能と豊かな創造力を発揮する機会を与えられていました。日本語の個人レッスンを受けているということで,学校を案内してくれたエヴァン君は,ICUに進学が決まっているとのこと。アメリカで未来の後輩に出会ったなんて最高!
芸術系のマグネット・スクール(公立小学校)は,音楽,美術,そして演劇まで,あらゆるアートが授業に導入(infusion)されていて,能力を伸ばすユニークな授業を展開していました。能力の有無にかかわらず,希望する子どもを受け入れるという方針で,本人の「やってみたい」という動機を大切にしていました。楽しそうに勉強する生徒と,先生方の熱意が大変印象的でした。
4 「ウォーターフロント」
海岸通りを歩いてみましょう。海に1 km弱突き出したピア(桟橋)は,セント・ピーターズバーグのランドマーク。逆ピラミッド型の建物の中に水族館やレストランがあります。ゆっくり潮風に吹かれながら歩くもよし,無料のトローリーバスも出ています。南国の風情があります。夕方の海はうっすらピンクに染まり,ピンクの建物にマッチします。1920年代の歴史的建物を残したヴィノイ・ホテルのベランダで,海を眺めながらモヒートで乾杯。
5 「ペリカン」
ピア周辺で見つけたペリカンたち。よく見ると表情豊かで,どこか原始的。飛ぶ姿はプテラノドン?カッショクペリカン(Brown Pelican)は,フロリダやアメリカ南部のシンボルです。
(アメリカからの絵葉書 その1)