第42回写真展 Cats and the Moon

東の空には月が昇り
西の空に日が沈む
Cats and the Moon
うさぎは見えますか?

お昼寝していた猫に足を止めると
梅の花がほころび始めていた

東の空には月が昇り
西の空に日が沈む
Cats and the Moon
同じ夢を見るのかな?

お昼寝していた猫が少し動いて
梅の香の中でまどろみ始めた

 

(本日の夕日とMoonriseです)

ブログ2周年記念(7)

カメラと私

約1週間前に,がんばれミノルタさんからコメントと質問をいただきましたので,今夜は写真にまつわるパーソナルな話を少し。まずは,ようこそ!そして,コメントありがとうございました。写真の好きな人は,いつでも歓迎です!!!

それでは,がんばれミノルタさんからの質問です。

Question: 「どんな機材を使用されていますか?」

Answer: ブログに掲載している写真は,全てコンパクトカメラで撮影したものです。理由は,気軽にどこでもポケットかカバンに入れて持ち運ぶことができること。光の温度が丁度いい時に,さっと撮る。失敗を恐れず,違ったことを試してみる。文句を言わずに付き合ってくれる最高のパートナーです。

最初のデジタルカメラは,2003年にアメリカで購入したCanon PowerShot A60でした。パリ行きの飛行機の中で,カメラの説明書を読み,フランスに到着する直前に日が昇り始め,思わずシャッターを切り,遅ればせながら,私のデジタル写真の夜明けが訪れました。

昨年,と言っても約2か月前のことですが,紅葉からクリスマスのイルミネーションに変わる頃,長年お世話になったデジカメの調子が悪くなり始め,遂に買い換の時が。これで終わりかと思うと急にお名残り惜しくなって,無我夢中でシャッターを切りました。何度も何度も,もうダメかと思いましたが,思い出に残る写真をもう1枚という願いがかなえられ,今年(平成19年)の初日の出の写真迄,大健闘してくれました。このカメラと共に成長できたのだと感じます。

写真を撮っていると幸せな気持ちになります。もちろん,思ったように撮れず,試行錯誤することも多々ありますが,カメラという絵筆で,光のぬくもり・風の色・季節の移ろいを感じる,ささやかな幸せ。ファインダーの中に見つけた別世界。日々見慣れた景色の中にさえ,新たな世界を垣間見る……

構図を決めて,息を整えながら冷静にシャッターを切る。カメラとの一体感,現像された写真を待ちわびる楽しさを覚えたのは,父のマミヤ6でした。幼稚園児の手には重過ぎますが,私のカメラ原体験です。小学生になって,学習雑誌の付録の簡易カメラを作ったり,カメラの仕組みに興味を持ったり,お小遣いを貯めてカメラを買いました。家族,友だち,愛犬,旅行,何でも撮りましたっけ……

さて,新しいカメラですが,いろいろ試してみました。通勤中や昼休みに気軽に撮影できることが,今の私にとって大切なので,新しいパートナーもコンパクトカメラにしました。Canon PowerShot A701 ISです。大き過ぎず,小さ過ぎず,どこでも一緒に行けます。一眼レフでフィルム撮影していた頃の握り具合を彷彿するグリップが気に入っています。

最初は,絵を描くときのアイデアやスケッチ代わりに撮った写真を,ブログに掲載し始めたのですが,親切なコメントや感想をいただき,変な言い方かもしれませんが,きちんとした写真を撮りたいと思うようになりました。A60の荒さ(ノイズ)は,それなりに絵筆のタッチのようで好きでしたが,新たなカメラの眼がどのような世界を見せてくれるのか楽しみです。

 

ブログ2周年記念(6)

第79回アカデミー賞ノミネート作品が発表されましたね

公式サイトwww.oscar.comのリストをざっと見てみると,最多ノミネート作品は「ドリームガールズ」の8ですが,うち3つは歌曲賞(オリジナル曲)のようですね。「バベル」は,期待されていた菊地凛子さんのノミネートに加え,作品賞,監督賞,脚本賞と主要部門で健闘し,7つのノミネート。また,どちらの作品も,助演俳優のダブル・ノミネートと,サポート陣の強さが共通点のようです。ゴールデングローブ賞(受賞)およびノミネート路線,健在です。

6つのノミネート作品では,ヘレン・ミレンの主演女優賞候補を含む「クィーン」,そして,技術面で大いに評価された「パンズ・ラビリンス」(原題)。5つのノミネート作品は,「ディパーテッド」と「ブラッド・ダイアモンド」(原題)で,レオナルド・ディカプリオは,後者の方で主演男優賞の候補にノミネートされていますが,「ディパーテッド」の方も,作品賞,監督賞,脚本賞と主要部門で候補にあがっています。

4つのノミネート作品は,期待されていた「硫黄島からの手紙」,「リトル・ミス・サンシャイン」,「ノーツ・オン・ア・スキャンダル」(原題),そして,技術面では「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」。「硫黄島からの手紙」は,作品賞,監督賞,脚本賞と主要部門ノミネートで健闘していますし,「父親たちの星条旗」の2つのノミネート(音響)を加えると合計6デス!

サンダンス映画祭も開催中と,この時期,映画の話題に事欠きませんが,サンダンスで先取り掘り出し物「リトル・ミス・サンシャイン」,「ハーフ・ネルソン」が,アカデミー賞でも注目され,魔術師の世界を描いた作品2本「ザ・プレステージ」(原題)と「ザ・イリュージョニスト」(原題)もノミネートされていますね。是非とも観てみたいです。

個人的な印象としては,メキシコ出身の監督さんが大健闘しているということ。アメリカ在住時に,メキシコ人の友人や,メキシコ留学したアメリカ人とよく話すことがあったのですが,なかなか興味深い国です。7つのノミネート作品「バベル」のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督。6つのノミネート作品「パンズ・ラビリンス」(原題)のギレルモ・デル・トロ監督。3つのノミネートを果たした「トゥモロー・ワールド」のアルフォンソ・キュアロン監督,そして長年キュアロン監督の撮影を担当しているエマニュエル・ルベッキもメキシコ出身ですね。これからも注目していくことにしましょう。

面白そうな映画,おひいきの作品,ありましたか?アカデミー賞の発表は,2007年2月25日(時差のため日本時間26日)だそうです。

 

ブログ2周年記念(5)これから観てみたい映画3

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参照:

アカデミー賞公式サイト(英語)
第79回オスカー・ノミネート作品(2006年1月23日発表)

http://www.oscar.com/nominees/?pn=list

以下のリストは,公式サイトの記載順です。日本語タイトルが不明なものは,初回のみ英語の原題を併記しました。

主演男優賞
レオナルド・ディカプリオ 「ブラッド・ダイヤモンド」
ライアン・ゴズリング 「ハーフ・ネルソン」(原題)Half Nelson
ピーター・オトゥール 「ヴィーナス」(原題)Venus
ウィル・スミス 「幸せのちから」
フォレスト・ウィッテカー 「ザ・ラスト・キング・オブ・スコットランド」(原題)The Last King of Scotland

助演男優賞
アラン・アーキン 「リトル・ミス・サンシャイン」
ジャッキー・アール・ヘイリー 「リトル・チルドレン」(原題)Little Children
ジャイモン・フンスー 「ブラッド・ダイヤモンド」
エディ・マーフィ 「ドリームガールズ」
マーク・ウォールバーグ 「ディパーテッド」

主演女優賞
ペネロペ・クルス 「ボルベール/帰郷」
ジュディ・デンチ 「ノーツ・オン・ア・スキャンダル」(原題)Notes On A Scandal
ヘレン・ミレン 「クィーン」
メリル・ストリープ 「プラダを着た悪魔」
ケイト・ウィンスレット 「リトル・チルドレン」(原題)

助演女優賞
アドリアナ・バラザ 「バベル」
ケイト・ブランシェット 「ノーツ・オン・ア・スキャンダル」(原題)
アビゲイル・ブレスリン 「リトル・ミス・サンシャイン」
ジェニファー・ハドソン 「ドリームガールズ」
菊地凛子 「バベル」

長編アニメ賞
「カーズ」
「ハッピー フィート」
「モンスター・ハウス」

美術賞
「ドリームガールズ」
「ザ・グッド・シェパード」(原題)The Good Shepherd
「パンズ・ラビリンス」(原題)Pan’s Labyrinth
「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」
「ザ・プレステージ」(原題)The Prestige

撮影賞
「ブラック・ダリア」
「トゥモロー・ワールド」
「ザ・イリュージョニスト」(原題)The Illusionist
「パンズ・ラビリンス」(原題)
「ザ・プレステージ」(原題)

衣裳デザイン賞
「カース・オブ・ゴールデン・フラワー」(原題,黄金花の呪い)Curse of the Golden Flower(中国語タイトル「満城盡帯黄金甲」,チャン・イーモウ監督です。確か,コン・リーの衣装が話題になっていましたっけ。)
「プラダを着た悪魔」
「ドリームガールズ」
「マリー・アントワネット」
「クィーン」

監督賞
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ 「バベル」
マーティン・スコセッシ 「ディパーテッド」
クリント・イーストウッド 「硫黄島からの手紙」
スティーヴン・フリアーズ 「クィーン」
ポール・グリーングラス 「ユナイテッド93」

長編ドキュメンタリー賞
「デリバー・アス・フローム・イーヴィル」(原題)Deliver Us from Evil
「不都合な真実」
「イラク・イン・フラグメンツ」(原題)Iraq in Fragments
「ジーザス・キャンプ」(原題)Jesus Camp
「マイ・カントリー,マイ・カントリー」(原題)My Country, My Country

短編ドキュメンタリー賞
「ザ・ブラッド・オブ・インザウ・ディストリクト」(原題)The Blood of Yingzhou District
「リサイクルド・ライフ」(原題)Recycled Life
「リハーシング・ア・ドリーム」(原題)Rehearsing a Dream

編集賞
「バベル」
「ブラッド・ダイヤモンド」
「トゥモロー・ワールド」
「ディパーテッド」
「ユナイテッド93」

外国映画賞
「アフター・ザ・ウェディング」(原題)After the Wedding デンマーク
「デイズ・オブ・グローリー」(原題)Days of Glory」 アルジェリア
「善き人のためのソナタ」 ドイツ
「パンズ・ラビリンス」(原題) メキシコ
「ウォーター」(原題)Water カナダ

メイクアップ賞
「アポカリプト」(原題)Apocalypto
「もしも昨日が選べたら」
「パンズ・ラビリンス」(原題)

作曲賞
「バベル」
「ザ・グッド・ジャーマン」(原題)The Good German (※ジョージ・クルーニーの新作。昔のカメラで撮影したそうで,クラシック映画風です。)
「ノーツ・オン・ア・スキャンダル」(原題)
「パンズ・ラビリンス」(原題)
「クィーン」

歌曲賞
"I Need to Wake Up" 「不都合な真実」
"Listen" 「ドリームガールズ」
"Love You I Do" 「ドリームガールズ」
"Our Town" 「カーズ」
"Patience" 「ドリームガールズ」

作品賞
「バベル」
「ディパーテッド」
「硫黄島からの手紙」
「リトル・ミス・サンシャイン」
「クィーン」

短編アニメ賞
「ザ・デニッシュ・ポエット」(原題)The Danish Poet
「リフティッド」(原題)Lifted
「ザ・リトル・マッチガール」(原題)The Little Matchgirl
「マエストロ」(原題)Maestro
「ノー・タイム・フォー・ナッツ」(原題)No Time for Nuts

短編映画(実写)賞
「ビンタ・イ・ラ・グラン・イデア」(原題)Binta y la gran idea
「エラモス・ポコス」(原題)Éramos pocos
「ヘルマー&サン」(原題)Helmer & Son
「ザ・セイヴィアー」(原題)The Saviour
「ウエスト・バンク・ストーリー」(原題)West Bank Story

音響効果賞
「アポカリプト」(原題)
「ブラッド・ダイヤモンド」
「父親たちの星条旗」
「硫黄島からの手紙」
「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」

音響賞
「アポカリプト」(原題)
「ブラッド・ダイヤモンド」
「ドリームガールズ」
「父親たちの星条旗」
「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」

視覚効果賞
「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」
「ポセイドン」
「スーパーマン リターンズ」

脚色賞
「ボラット」(原題)Borat: Cultural Learnings of America for Make Benefit Glorious Nation of Kazakhstan
「トゥモロー・ワールド」
「ディパーテッド」
「リトル・チルドレン」(原題)
「ノーツ・オン・ア・スキャンダル」(原題)

オリジナル脚本賞
「バベル」
「硫黄島からの手紙」
「リトル・ミス・サンシャイン」
「パンズ・ラビリンス」(原題)
「クィーン」

※タイトル別では,計58本の映画が各賞にノミネートされています。(公式サイト,英語)

http://www.oscar.com/nominees/?pn=films

第41回写真展 ブログ2周年記念  Second Anniversary

皆さんいかがおすごしでしょうか。

映画千夜一夜を始めて2年になります。昨年は,1周年記念として,1年の間に掲載した写真から選んで写真展を開催しました。最初の1年に比べて,この1年の間に撮った写真の数が増えましたので,今年は,前期と後期に分けて記念写真展を開催します。前期の写真展は,第17回写真展から第27回写真展の写真から選びました。(なお,後期の記念写真展は,夏ごろ開催の予定です。)

Enjoy!

ブログ2周年記念(4)ブログ2周年記念写真展(前期)

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参照:

第17回写真展 冬の花
第18,19回写真展 桜便り
第20,21回写真展 薔薇と帆船
第22回写真展 キルト変奏曲
第23回写真展 マグノリア
第24回写真展 海の日に寄せて
第25回写真展 ガーディニアの薫る小径
第26回写真展 水の舞踏
第27回写真展 薔薇をあなたに

…and Now, the Envelope Please

第64回ゴールデングローブ賞が発表されましたね。ほぼ噂や予測どおりの結果でしたが,「ドリームガールズ」が健闘し,ジェニファー・ハドソンが,助演女優賞を期待されていたケイト・ブランシェットを負かして,まさにアメリカン・ドリーム!同じくもう一人,「ボラット」(原題)のサシャ・バロン・コーエンもです。 

それでは,これから観てみたい映画にチェックを入れておきましょう。受賞作品の日本公開予定を,ざっと調べてみました。以下のリストは,既に公開されている映画を除いて,現時点の公開順です。

1/20 「ディパーテッド」
2/17 「ドリームガールズ」
春休み 「ハッピー フィート」
ゴールデンウィーク 「バベル」,「クィーン」

未定
「ザ・ラスト・キング・オブ・スコットランド」(原題)The Last King of Scotland
「ボラット」(原題)Borat: Cultural Learnings Of America For Make Benefit Glorious Nation Of Kazakhstan
「ペインテッド・ヴェール」(原題)The Painted Veil

公開中
「硫黄島からの手紙」 

公開済
「プラダを着た悪魔」
「カーズ」

 

ブログ2周年記念(3)これから観てみたい映画2
 
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参照:

ゴールデングローブ賞公式サイト(英語)
第64回ゴールデングローブ賞ノミネート・受賞作品のリスト
(2007年1月15日,時差のため日本時間16日発表)

http://www.hfpa.org/nominations/index.html

以下のリストは,公式サイトの記載順です。日本語タイトルが不明なものは,英語の原題を併記しました。なお,公式サイトには,受賞作品の記者会見の様子のビデオ・クリップ(動画)と,それぞれのノミネート作品へのリンクもあります。

最優秀作品賞(ドラマ部門) 「バベル」

最優秀主演女優賞(ドラマ部門) ヘレン・ミレン 「クィーン」

主演男優賞(ドラマ部門) フォレスト・ウィッテカー 「ザ・ラスト・キング・オブ・スコットランド」(原題)The Last King of Scotland

作品賞(ミュージカル・コメディ部門) 「ドリームガールズ」

主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門) メリル・ストリープ 「プラダを着た悪魔」

主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門) サシャ・コーエン 「ボラット」(原題)Borat: Cultural Learnings Of America For Make Benefit Glorious Nation Of Kazakhstan

助演女優賞 ジェニファー・ハドソン 「ドリームガールズ」

助演男優賞 エディ・マーフィ 「ドリームガールズ」

アニメ作品賞 「カーズ」

外国語映画賞 「硫黄島からの手紙」

監督賞 マーティン・スコセッシ 「ディパーテッド」

脚本賞 ピーター・モーガン 「クィーン」

音楽賞 「ペインテッド・ヴェール」(原題※)The Painted Veil 
(※サマセット・モーム原作の日本語タイトルは「五彩のヴェール」)

歌曲賞 “Song of the Heart”「ハッピー フィート」

 

Buzz!

第64回ゴールデングローブ賞発表(2007年1月15日,時差のため日本時間16日)間近になりましたね。今回はタイムリーな話題として,ゴールデングローブ賞ノミネート作品,ニューヨーク・タイムズ紙のアカデミー賞予測,口コミ等をもとに,これから観てみたい映画を選んでみました。

まずは,ゴールデングローブ賞のノミネート最多作品「バベル」。メキシコのアレハンドロ・イニャリトゥ監督は,一つの出来事をいろいろな視点,立場,場所から見るハイパーリンクな映画を作る監督さんの一人で,「アモーレス・ペロス」(1999年),「21グラム」(2003年),そしてこの作品の脚本を担当したギジェルモ・アリアガと共にノミネートされています。もちろん,菊地凛子さんのノミネートで盛り上がっています。今回は,日本,モロッコ,アメリカ,メキシコが舞台。 この手の(ハイパーリンクな)映画は嫌いという声も聞きますが,要チェックです!

そして,クリント・イーストウッド監督の「父親たちの星条旗」と「硫黄島からの手紙」は,戦争で分断された人々を,映画を通して,それぞれの立場に立つことにより,人間のレベルで理解しようとした作品。1本の映画に両者の視点を盛り込まず,2本1対の映画でそれぞれのストーリーを丁寧に描くという企画は素晴らしく,歴史から学ぶキッカケを作ってくれています。既に観ましたが,2作一緒にもう一度(DVDで)観たい映画です。

クリント・イーストウッド監督のように,俳優であり監督であるトッド・フィールド氏の「リトル・チルドレン」(原題)が注目されています。監督デビュー作「イン・ザ・ベッドルーム」(2001年)は,運命の皮肉を扱った作品でしたが,演劇的にも秀でていて,大いに注目しました。前作もそうでしたが,住宅街の平凡の中の非凡というか,ありふれた日々の中にある切羽詰った閉塞感と転落のようなものをテーマにしているそうです。今回も素晴らしい演技(ケイト・ウィンスレット等)を見ることができるとのことで,要チェック!

演技面で話題になっているものから。ヘレン・ミレンの「クィーン」は,ダイアナ妃の事故死の頃の英国王室が描かれているそうですが,いつもながらミレンの演技は必見。同じく英国からは,老いゆく俳優を演じているピーター・オトゥールの「ヴィーナス」(原題)が注目されています。男優では,「ザ・ラスト・キング・オブ・スコットランド」(原題)で,ウガンダのアミン大統領を演じたフォレスト・ウィッテカーも,大いに話題になっていますね。

そして,レオナルド・ディカプリオがダブル・ノミネートを果たした「ディパーテッド」と「ブラッド・ダイアモンド」(原題)も要チェックですね。何と言っても,「ディパーテッド」はマーティン・スコセッシ監督の作品です。また,ペネロペ・クルスがノミネートされている「ボルベール /帰郷」は,スペインのペドロ・アルモドバル監督の作品に共通する女性賛歌ということで,是非観てみたいデス!

ノミネート常連ジュディ・デンチと,ケイト・ブランシェットの演技のバトルを見ることができるという「ノーツ・オン・ア・スキャンダル」(原題)も注目されていますね。この映画は,脚本でもノミネートされていますが,「クローサー」(2004年)のパトリック・マーバーの台本ということで,要チェック!文芸作品では,サマセット・モームの「五彩のヴェール」の映画化(「ペインテッド・ヴェール」原題)も観たいですね。

そうそう,レネー・ゼルウィガーの「ミス・ポター」(原題)は,『ちょっと,ぶっ飛んでるかも』とのことですが,ピーターラビットの作者の想像の世界を垣間見ることができるとのこと。それから,視覚的にいつも新鮮なダーレン・アロノフスキー監督ということで,期待していた「ファウンテン」(第19回東京国際映画祭出品作品)。『かなり,ぶっ飛んでいる』(西洋人的には,ついていけない)そうですが,輪廻転生・時空を超えた愛(永遠の愛)がテーマとのことで,東洋では受け入れるかしら。この2本,まぁ,想像力過多かもしれませんが,多分観るでしょう。ノミネートされている音楽がステキです♪

コメディーでは,陳腐なギャグに頼らずオリジナルと賞賛されているのは,「リトル・ミス・サンシャイン」。カリフォルニアへのディスファンクショナルな家族のロード・ムービーでもあります。そして,かなり品のない「ボラット」(原題)が,主演のサシャ・コーエンのキャラクター(『テロリストと間違えられそうな人が,堂々とバカバカしいことをやっている』)で押し切り,北米では大ヒット。とりあえず観てみましょうか。

外国語映画賞にノミネートされている映画から2本。現実の世界と想像の世界が交叉するダーク・ファンタジー「パンズ・ラビリンス」(原題)。特殊メーク出身の経歴を持つメキシコの監督さんギレルモ・デル・トロの作品で,視覚的に素晴らしいと聞いていますので是非。1940年代のスペインが舞台だそうです。そして,もう1本は「アポカリプト」(原題)。メル・ギブソンが監督した歴史もの。今回はマヤ文明だそうです。今回もバイオレントだそうですが,監督としてメル・ギブソンの才能が光るとのことで,要チェック!

今回のゴールデングローブ賞にノミネート作品のうち,俳優であり監督であるクリント・イーストウッド,メル・ギブソン,トッド・フィールドに加えて,もう一人,エミリオ・エステヴェスも「ボビー」(原題)の監督として注目されていますね。今でもアメリカではボビーと愛称で呼ばれるロバート・F・ケネディーが,1968年6月6日に暗殺されたアンバサダー・ホテルの人々に焦点を当てた映画だそうです。エステヴェス,監督,脚本,出演とマルチタレントぶりが伺えます。

ブロードウェー・ミュージカルの映画化「ドリームガールズ」は,豪華絢爛なプロダクションだそうですが,ビヨンセ・ノウルズの魅力,エディ・マーフィの熱演はもちろん,拾いものは,スター誕生TV番組「アメリカン・アイドル」で発掘されたジェニファー・ハドソン。スクリーンで開花した彼女の歌声が最高と評判です。

最後に,ゴールデングローブ賞にノミネートされていないけれど,口コミの評判から観てみたい映画を,いくつか選んでみました。まずは,もう一つの「冷血」,「インファマス」(原題 Infamous)。「カポーティー」の二番煎じ?否。トビー・ジョーンズがカポーティー,サンドラ・ブロックがハーパー・リーだそうです。それぞれのアプローチを見比べてみると面白いとのことで,是非とも観てみたいですね。

二人の魔術師のライバルのバトル「ザ・プレステージ」(原題 The Prestige)は,独自のストーリーの展開と,スマートな構成に定評のあるクリストファー・ノーラン監督の新作です。どのように映画を構築しているのか,楽しみです。そして,PKディック原作の「スキャナー・ダークリー」は,実写とアニメの融合というか,スタイルの面でも面白そうな試みです。

ミネソタを舞台にした佳作「スィートランド」(原題 Sweetland),アシュレイ・ジャッドが好演しているという「カム・アーリー・モーニング」(原題 Come Early Morning),アンソニー・ミンゲラ監督の知的な作品「こわれゆく世界の中で」,マギー・スミスやイギリスの芸達者な俳優で固めたコメディー「キーピング・マム」(原題 Keeping Mum)も,観てみたいと思っています。

面白そうな映画,ありましたか?この他にも,いい映画が沢山あることだと思います。口コミしましょう!!!

ブログ2周年記念(2)これから観てみたい映画1
 
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参照:

ニューヨーク・タイムズ紙のアカデミー賞予測(英語)

http://www.nytimes.com/imagepages/2007/01/07/movies/20070107_OSCAR_GRAPHIC.html
 
ゴールデングローブ賞公式サイト(英語)
第64回ゴールデングローブ賞ノミネート作品(2006年12月14日発表)

http://www.hfpa.org/nominations/index.html

以下のリストは,公式サイトの記載順です。日本語タイトルが不明なものは,英語の原題を併記しました。なお,公式サイトには,それぞれのノミネート作品へのリンクがあります。

作品賞(ドラマ部門)
1 「バベル」
2 「ボビー」(原題)Bobby
3 「ディパーテッド」
4 「リトル・チルドレン」(原題)Little Children
5 「クィーン」

主演女優賞(ドラマ部門)
1 ペネロペ・クルス 「ボルベール/帰郷」
2 ジュディ・デンチ 「ノーツ・オン・ア・スキャンダル」(原題)Notes on a Scandal
3 マギー・ギレンホール 「シェリーベイビー」(原題)Sherrybaby
4 ヘレン・ミレン 「クィーン」
5 ケイト・ウィンスレット 「リトル・チルドレン」(原題)Little Children

主演男優賞(ドラマ部門)
1 レオナルド・ディカプリオ 「ブラッド・ダイアモンド」(原題)Blood Diamond
2 レオナルド・ディカプリオ 「ディパーテッド」
3 ピーター・オトゥール 「ヴィーナス」(原題)Venus
4 ウィル・スミス 「幸せのちから」
5 フォレスト・ウィッテカー 「ザ・ラスト・キング・オブ・スコットランド」(原題)The Last King of Scotland

作品賞(ミュージカル・コメディ部門)
1 「ボラット」(原題)Borat
2 「プラダを着た悪魔」
3 「ドリームガールズ」
4 「リトル・ミス・サンシャイン」
5 「サンキュー・スモーキング」

主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)
1 アネット・ベニング 「ラニング・ウィズ・シザーズ」(原題)Running with Scissors
2 トニ・コレット 「リトル・ミス・サンシャイン」
3 ビヨンセ・ノウルズ 「ドリームガールズ」
4 メリル・ストリープ 「プラダを着た悪魔」
5 レネー・ゼルウィガー 「ミス・ポター」(原題)Miss Potter

主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)
1 サシャ・コーエン 「ボラット」(原題)Borat
2 ジョニー・デップ 「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」
3 アーロン・エッカート 「サンキュー・スモーキング」
4 キウェテル・イジョフォー 「キンキーブーツ」
5 ウィル・フェレル 「主人公は僕だった」

助演女優賞
1 アドリアナ・バラザ 「バベル」
2 ケイト・ブランシェット 「ノーツ・オン・ア・スキャンダル」(原題)Notes on a Scandal
3 エミリー・ブラント 「プラダを着た悪魔」
4 ジェニファー・ハドソン 「ドリームガールズ」
5 菊地凛子 「バベル」

助演男優賞
1 ベン・アフレック 「ハリウッドランド」(原題)Hollywoodland
2 エディ・マーフィ 「ドリームガールズ」
3 ジャック・ニコルソン 「ディパーテッド」
4 ブラッド・ピット 「バベル」
5 マーク・ウォールバーグ 「ディパーテッド」

アニメ作品賞
1 「カーズ」
2 「ハッピー フィート」
3 「モンスター・ハウス」

外国語映画賞
1 「アポカリプト」(原題)Apocalypto
2 「硫黄島からの手紙」
3 「善き人のためのソナタ」
4 「パンズ・ラビリンス」(原題)Pan’s Labyrinth
5 「ボルベール <帰郷>」

監督賞
1 クリント・イーストウッド(「父親たちの星条旗」)
2 クリント・イーストウッド(「硫黄島からの手紙」)
3 スティーヴン・フリアーズ(「クィーン」)
4 アレハンドロ・イニャリトゥ(「バベル」)
5 マーティン・スコセッシ(「ディパーテッド」)

脚本賞
1 ギジェルモ・アリアガ 「バベル」
2 ウィリアム・モナハン 「ディパーテッド」
3 トッド・フィールド,トム・ペロッタ 「リトル・チルドレン」(原題)Little Children
4 パトリック・マーバー 「ノーツ・オン・ア・スキャンダル」(原題)Notes on a Scandal
5 ピーター・モーガン 「クィーン」

音楽賞
1 「ペインテッド・ヴェール」(原題)The Painted Veil (サマセット・モーム原作の日本語タイトルは「五彩のヴェール」)
2 「ファウンテン」
3 「バベル」
4 「ノーマッド」(原題)Nomad
5 「ダ・ヴィンチ・コード」

歌曲賞
1 “A Father’s Way”「幸せのちから」
2 “Listen”「ドリームガールズ」
3 “Never Gonna Break My Faith”「ボビー」
4 “Song of the Heart”「ハッピー フィート」
5 “Try Not To Remember”「ホーム・オブ・ザ・ブレイブ」(原題)Home of the Brave

So Far So Good

ブログ2周年記念(1)

こんばんは!ここでブログを始めたのは,2005年1月20日ですので,ほぼ2年になります。映画について書いたり,写真を撮ったり,it’s been a great journey.  せっかくですから,ブログ2周年記念に何か企画してみようと思います。

昨年のブログ1周年記念にやったことと言えば,好きな映画を100本選んでみたこと(映画百選),そして,最初の1年の間に撮った写真をまとめて記念展としました。

映画百選の方は結構難しくて,今迄観た映画から100本選ぶのは至難の技でした。誰からも認められる映画を選ぶのではなく,自分の好きな映画を探ろうといった企画だったのですが,約2か月かけても,これだというリストができたとは言い難く,結果的に映画百選を始めるキッカケになったといった感じです。終わりでなく,映画百選という旅が始まったということにしましょう。

困難な理由は,主に時間の経過が影響しているのですが,記憶が薄れてしまっていたり,以前の自分と今の自分では観方が違っていたりするので,同じ土俵に全ての映画を並べることは,ほぼ不可能ということに気付きました。また,新しい映画や,見逃していた映画の中に素晴らしいものが,どんどん登場するので,相対的な位置付けが絶えず変化しています。しかしながら,好きな映画を意図的に探すようになったのは,映画百選を試みた最大の収穫と言えるかもしれません。

また,映画を100本選ぶという作業は,自分自身の映画史を振り返り,無意識に選んでいた映画に,何らかの意味を見つけることができた貴重な体験でした。映画百選を作るための予備リストができたということで,ヨシとしましょう。今年は,昨年のリスト作成時に見落とした映画で,どうしても映画百選に入れたい映画を厳選してみようと思います。この1年間,ずっと考えてきたことですから。自分の記録として,今後も続けていこうと思います。

そして,ブログ1周年記念写真展では,1年分の写真から50枚選びましたが,今回は,1年目より多くの写真を,ブログ用に撮影したので,半年毎に区切りの写真展をしてはどうかと考えています。夏頃までの前期の写真から選んでみますね。この選ぶ作業は,なかなか楽しいものですよ。

映画ネタに戻ると,昨年の今頃は,ゴールデングローブ賞やアカデミー賞のささやかな特集をしました。ほとんど日本では公開されていない映画を,口コミやネット等の情報からアタリをつけてみましたが,今後観たい映画として,大いに参考になりましたので,今年は賞にこだわらず,これから観たい映画として,口コミ・ネット情報アナリシスをやってみたいと思います。

それから,もう一つ。この1年,ブログにあったらいいなぁと思ったカテゴリです。頭の中に流れている音楽を,記録していこうと思います。映画音楽かもしれませんし,全く関係ない場合もありますが,面白そうです。

ブログ2周年記念企画(予定):
1 映画百選の続き
2 ブログ2周年記念写真展(前期)
3 これから観てみたい映画
4 頭の中に流れている音楽

こんな感じで,ブログ2周年をお祝いしてみようと思います。

第40回写真展 夢の続き

いつの間にか,山茶花や椿が枝にたわわに咲いています。晩秋に紅葉の写真撮影をしている間に,蕾がほころび始め,クリスマスのイルミネーションの撮影に夢中になっている間に,着々と開花が進み,いつの間にか,赤やピンク,白に飾られた木々が目に付くようになりました。

記憶をたぐり寄せると,昨年の春先にも,同じ木々の花を撮影したことを思い出します。花の少ない季節に,晩秋から早春まで,当地では長い期間にわたり,次から次へと開花して,道行く人々の目を楽しませてくれます。艶やかな葉は生命力に溢れ,みずみずしい花びらが冬の光を受けて輝き,まるで夢のようです。

第2回デジタルアート・ギャラリー Birds of a Feather

2日は雨だったが
3日は雨があがった
1日に歩いた川辺を
海に向かって進んでみる

鏡のような水面に姿を映し
湿地帯でヒナを育てる親鳥
河口に近づくと
渡り鳥が汽水で餌を探し
姿を現し始めたのは海の鳥

4日は仕事始めだ
電車のプラットフォームで
忙しそうに行き来する鳩に
思わずカメラを取り出した

写真展 A Happy New Year!

元旦の天気予報は曇りでしたので,初日の出を見ることができるかどうかわかりませんでしたが,とりあえずカメラを持って外に出ることにしました。霜が降りていますが,それほど寒くなく,どんどん歩いていくうちに日が昇り始めました。

初詣の写真を撮った後,川辺を歩いていると,枯れすすきが水面に写っています。電線の影が川に沿って続き,まるで五線譜にススキは音符だと眺めていると,鴨の大合唱が聴こえてきました。どんどん歩いていくうちに,昨夜,除夜の鐘の音を聞いたお寺が見え,朧のような太陽が木立から覗いていました。

年賀状を配達するお兄さんたちと擦れ違い,「おめでとうございまーっす!」と元気のいい挨拶。そして,子どもたちが,もみくちゃになりながら,年賀状を片手にポスト目がけてダッシュ。微笑ましい光景でした。

皆さんのお正月はいかがでしょうか。おせち料理やお雑煮を楽しまれましたか。